16歳、高校一年の時、私は大人に憧れた。

自立、責任、そして自由…自分に無い全てのものを備えているのが大人だと思った。

なので、バイト先の26歳のやり手の店長は、とても眩しい存在だった。

「貴美子ちゃん、今日10時まで残れない?」忙しい月末、店長に言われた。

バイトは遅くても7時まで。門限は9時だった。

「全然平気ですよ」少し背伸びをしたかった。少しでも多くの時間、店長の傍にいたかった。

「そうか、悪いな。じゃあ取引先に商品届けに行くの手伝ってくれ。9時に車で出るから」夜のドライブ。

心がざわめいた。商品の食材キットを少し車に積み込み、助手席に座った。店長の運転するその車は、街の歓楽街に入っていった。

とても女子高生が歩けそうもないような風俗街。そこのラブホテルの駐車場に車は入った。私は緊張した。

「友人がこのホテルを経営しててね」店長がそう言って車を降りた。

店長がするように、私も商品を両手に持ち、店長の後に続いた。私達は最上階の大きい部屋に案内された。部屋には数人、チンピラ風な男がいた。

「よお、まっちゃん。久しぶり」そのうちの一人が店長に話しかけてきた。

「おう、マサ。もって来たよ”お望みのもの”を。これで来月からウチの商品を継続購入してくれるんだろ?」店長はVサインをして答えた。

「ああ、約束は守る。早速味を確かめてみたいな」私は持ってきた食材の検品が始まるのかと思い、商品を床におろした。

その時、店長は突然、私の腕を掴み、ぐいっと男達の前に差し出したのだった。

ビックリした。男達がにやついていた。そう、奴らの「お望みのもの」は私だったのだ。

店長は自分のビジネスと交換に、私を生贄にしたのだ。

気づいたときには遅かった。私はケダモノのような彼ら全員から犯された。

店長からも。あらゆるところを何度も何度も。まだ処女だった。

強烈な痛み、恥かしさ、悔しさ… 一時間以上に渡って、信じられない格好で、私は制服のまま犯され続けた。

必死に抵抗したが大勢の男の前では無力だった。

痛みはそのうちに刺激に替わり、私は身悶えをしたが、無論、嬉しくって反応したわけではない。

私は泣き喚くことしかできなかった。そうして私はボロボロになり開放された。

私は狂ったように泣きながら、家までの道のりを30分近く走り続けた。

両親には知られずに済んだ。妊娠も恐かったが大丈夫だった。数日後、学校の傍で店長が待ち構えていた。

「や、やあ、貴美子ちゃん。こないだは悪かったね。これ、バイト代の未払い分と退職金代わりに…」封筒を渡された。

10万円位余計に入っていたようだった。あの日の屈辱が心に蘇ってきた。

封筒を叩きつけ、私はまた泣きながら走った。

私は可哀想な大人たちを見下して生きることに決めた。