寝込んで学校休んでたら、女の子がお見舞いに来てくれた。

俺は当時オナニー覚えたての中2だった。

早い奴は小4くらいからやってて、早く覚えた奴のがエライみたいな空気があった。

それがなんでか悔しくて、回数でならすぐ追いついてやる!ってバカな目標を立てた。

毎日欠かさず朝1回と夜1回が最低ノルマで、多いときは4~5回だったと思う。

最多が7回だったのはハッキリ覚えてる。

一ヶ月続けたのか、そこまでいかなかったか、それ以上だったか、日数は覚えてない。

で、ティッシュの消費量で、オナニーばかりしてるのを親に感づかれたら恥ずかしい。

だから俺は、風呂でしたり、パンツに発射してそのまま拭いたり、窓の外に発射したり。

ティッシュを使い過ぎないように、そんなナイスな(つもりの)工夫をしてた。

さて、毎日必死でオナニーしてたら、倒れた。

倒れたってのは大袈裟だけど。

ちょっと風邪引いたと思ったら、オナニー疲労と合わさったせいで、ひどく怠くて、寝込んだ。

そして寝込んで2日目、同級生の女子が見舞いにきてくれた!

こんなオナニーバカにも女子からお見舞いが。

あ、もちろん建て前は、風邪がこじれて寝込んだだけってことになってる。

女子と言っても、近所に住んでる同い年のイトコ。

こいつは普段からウチに遠慮なく出入りしてたりする。

問題は、そのイトコが連れてきた、女級長だった。

級長は真面目で頭もいいけど、どっちか言うと仕切り屋で、その性格を買われて級長してる。

社交的でよくしゃべるキャラだから、普通に会話することはある。

でもわざわざ見舞いにまで来てくれるような仲良し、って程じゃなかったから意外だった。

「クラスメイトの見舞いも級長の仕事なの?大変だね」とか言ったら、「級長だからじゃないよ、U太くん(俺)が好きだからだよ!」って、あっさり言われてびっくり。

級長は告白のために来たのだった。

イトコと相談して、見舞いを口実に、俺と仲良くなるきっかけを作ろうとしたらしい。

イトコは級長の尻を叩くために一緒に来たんだけど、あっさり告白したのは想定外。

級長の性格をよく知ってるイトコも、びっくりしてた。

で、俺の返事を聞くまでもなく、もう2人は付き合い始めた、みたいな空気を作る女ども。

なにそれ、俺まだ何も言ってない。

イトコは「まあ、あとは若いお2人で~」とか何とか冷やかしながら帰ってしまった。

今まで級長のこと女として意識してなかったけど、好きって言われた上に、突然2人きり。

ドキドキしないわけにはいかない。

級長はちょっと痩せ気味で、色気もおっぱいもないけど、欧風のキリッとした顔立ち。

俺より少し背が高い。

意識し始めたら、すごい可愛くキレイに見えてきて、やばい。

でもまだ、付き合ってとか言われたわけじゃないから、イエスもノーも何も言えない。

そもそも男女交際なんて、早くても高校生のすることだと思ってた。

ただドキドキしてたら、級長が言った。

「◯◯くん達が言ってたけど、『U太はシコり過ぎで倒れたんだろー』って」

ぎゃふん。

オナニーバカなのが級長にばれた?

毎日オナニー!の目標は、人には言ってないのに。

精子の匂いがぷんぷんしてたんだろうか。

いや、ふざけた冗談で男友達がしゃべっただけとは思うけど。

まあ図星なんだけど。

「シコり過ぎって何?」と級長。

あ、オナニーのことだとは思ってないのか、よかった。

いやよくない、聞かれた以上、答えないといけない。

困った、オナニーとは言えない。

「ま、まあ、頑張り過ぎ、みたいなことだよ」

「何を頑張り過ぎたの?」

質問を被せてきやがった。

どうする、もうめんどくさい・・・。

「あーもう!オナニーだよオナニー!」

「おなにって何?」

げげー、どうしたらいいの俺。

なんか腹立ってきた。

好きって言われて嬉しかったのに、何かもうウザくなってきた。

頭がぼーとしてるのもあって、何だかイライラしてきたし。

今なら俺も大人だから、スケベオヤジの気持ちもわかるよ。

俺がそんなオヤジなら、「くひひ、お嬢ちゃんオナニー知らんの?おじちゃんが教えたろかあ・・・」なんて鬼畜になるかも知れない展開。

でも当時まだ13歳。

自分のシモの話を女とするなんて恥ずかしいし、かっこ悪いって思ってるだけの子供だった。

男連中との幼稚な猥談は楽しかったんだけどなあ。

思春期だったんだなあ。

「もう何だよう、知らないのかよ、男はだいたいしてんじゃないの・・・」

「あ、あー!そっかおなにーって、マスターベーション・・・ごめん」

級長はオナニーって言葉に馴染みがないだけで、自慰行為というもの自体は知ってた。

にしても、気まずい、あー気まずい。

しばらく沈黙。

俺はベッドにいたんだけど、横になって壁の方を向いた。

でも級長の性格だから、すぐ沈黙を破って、割とさくさくと突っ込んできた。

「やり過ぎで倒れたんだね。毎日してるの?どんな風にするの?オナニーって疲れるの?風邪引いててもするの?何でシコるって言うの?精液ってどんなの?」

男の性にマイナスイメージはないのか、ただ興味津々といった感じで。

たぶん級長は、男のオナニーを、オシッコをするのと同等ぐらいに思ったのかも知れない。

ちょっとトイレ、っていうのと同じくらい、「あ、俺ちょっと今から精子出すね」みたいな。

でも俺はそんな質問攻めされて、ひたすら恥ずかしいだけだ。

「女の子とエロトークうひひ」なんて、余裕で萌えるほどの経験値はなくて。

もう居た堪れなくて俺は不機嫌になってしまった。

俺が何も言わなくなったので、級長もさすがにへこんだみたいで。

一言「ごめん」と言って、静かに帰っていった。

この日は寝込んでから2日目で、前の日はオナニーはしてなかった。

夜になって、級長と2人きりの状況を思い出したらなぜか、2日ぶりにちんちんがフル勃起。

ベッドの上で横になって、そこに級長が座っていたのを思い出したらなぜか興奮した。

2日ぶりにオナニーした。

裸でもない、服を着てただ座ってるだけの級長の残像が、なぜかオカズになった。

こんなことは初めてだった。

グラビアとか、漫画のエッチなシーンとか。

当時の俺にとってオナニーは、そんなのを見たり思い出したりしてするものだった。

そして最近は、とにかく擦ってはシボり出す、というただの機械的な作業になりつつあった。

『毎日マルチ(複数回)オナニー』の目標が一人歩きしてたから、感情が無くなってたんだなあ。

そんな中、級長の残像と向かい合ったとき。

キュンキュンと、ちんちんの根元と心臓を締め付けるような感情が生まれた。

級長を好きになってしまったんだと思った。

怒ってしまったこと、落ち込ませてしまったことを後悔した。

翌日。

やっぱり体がだるいので学校を休んだ。

でもだいぶ回復はしてて、級長のことを思ったら勃起した。

やばい。

昼過ぎまでだらだら寝て、夕方から母親が出かけたので、1人になった。

母親が玄関を出る音がしたのを確認してから、パンツを脱いでオナニー始めた。

級長のことを考えながら、夢中でちんちんしごいてたら、部屋の外から級長の声が!

「U太くん、昨日はごめん、またお見舞いに来たよー」

出かける母親が玄関先でちょうど級長と出くわして、“勝手に上がって”と家に入れたらしい。

その時俺はTシャツ一枚、下半身は完全に丸裸。

ベッドで横になって、左手にはティッシュを持って、射精に備えようとしてた時だった。

部屋に鍵はない(襖)。

慌てて毛布を下半身に被せながら、「あう、えっと・・」とか言ってたら襖が開いた。

バカ勝手に開けるな!とか怒る余裕もないくらい俺は慌ててた。

でも何とか平静を装って「あー、うん、いらっしゃい」とか、なんとか引き攣り笑いをして見せた。

下半身裸で、ベッドから起き上がるわけにもいかなくて、俺は横になったまま。

級長はベッドの横、俺の上半身側で、ちょこんと座った。

毛布一枚を隔てて、フル勃起のちんちんと級長の距離は数十センチ。

もちろん級長は、毛布のすぐ下に射精寸前のぬるぬるの硬いちんちんがあるのを知らない。

でも俺にとっては、見られてるも同然の恥ずかしさ。

それなのに、いやそれだから?勃起は静まらない。

起き上がれない俺の、冷や汗の浮いた顔を見て、「まだ具合悪そうだね?」と級長が言った。

体の具合じゃなくて、今のこの状況が具合悪いんだけど。

俺が起き上がれないだけで、ちんちんは思い切り起き上がってるんだけど。

「昨日はごめんね、嫌いになったかなあ」

まだちょっと落ち込んでる感じの級長。

嫌いになるどころか、たぶん好きになった、とか言ってあげられれば良かったけど。

「いやいやいや、それ程でも」

ちんちん丸出しがばれるかもと思ったら気が気じゃない俺は、曖昧に答える。

「ほんと?よかった!あのねー、ちょっと保健室の先生に聞いてきたよ!」

ようやく笑顔を見せて、いつものキャラに戻ってきた級長。

しかし一体何を聞いてきたのか。

「マスターベーション・・・、あ、オナニーか。我慢しないで、何回してもいいって。U太くんはやり過ぎで疲れただけで、体に悪いことはないって」

「そんなこと先生に聞いてきたの!」

「えー、だって心配だし。U太くんの名前は言ってないよ!」

俺のことだとは言わなかったみたいで安心だけど、それでも大胆すぎるよ。

どんな会話の流れだったんだろう。

「男のマスターベーションについて教えてって言ったら、先生ノリノリだったよ(笑)何で聞くのって言われたけど、お姉ちゃんが彼氏のことで悩んでるからとか何とか適当に言っといた。いやー、勉強になったよー。男って面白いなあ」

※先生は、穏やかで気さくなおばさんって感じの人で、女子からの信頼は大だったらしい。

※授業としての性教育では教えにくいことも、こっそり聞きに行くと、教えてくれたらしい。

先生と男のオナニーの話をするなんて、こいつバカか、とちょっと思ったけど。

でも、もともと賢いだけあって、好奇心は旺盛なんだろうな。

級長やるくらいだから分別もついてるし。

公衆の面前で下ネタを言いふらすような下品なキャラじゃないのは知ってる。

で、よく見ると顔が赤い。

ほんとは恥ずかしいのに、思い切って真面目に質問してきたんだろうなあ。

たぶん本気で、俺の体が心配だったんだろうなあ、と思ったら、ちょっと嬉しくもなった。

実際、俺は今回3日休んだことで、オナニーやり過ぎは良くないんだって考えてた。

よく言う“罪悪感”ってのも、初めて級長をオカズにしたことで芽生え始めたかも知れない。

そんなんだから、保健の先生という専門家の意見とやらにはホッとさせられた。

級長からの情報は素直に嬉しかった。

それでも、今の俺の丸出し状況はやばいので、気分は落ち着かなかった。

級長もさすがに、男と2人きりで性の話題を持ち出すことの、気まずさを感じ始めたみたいで、何かそわそわしてるのがわかった。

でもちょっとハイというか、はしゃぎ気味にも見えた。

級長もエッチなことに興味はあるけど、今までそんな話ができる友達は居ないらしかった。

保健体育としての知識は優等生だから問題ないけど、何ていうか、俗な話の部分というか、そういうのはテレビとか、姉さんから伝わる彼氏情報で、ぼんやり想像するだけだったらしい。

好きと意識し始めた女子と、ちんちん丸出しで、そんな話をしてると、当然俺の興奮はおさまらない、どうしていいかわからない。

そして級長も間を置きたかったのか、「ちょっとトイレ貸して」と言って出て行った。

級長が席を外した!よし、その間にパンツとズボンをはこう!

よかった、と思って下半身を覆った毛布を取った時、思った。

触ってなかったのにガマン汁でぬるぬるの、びんびんのちんちん。

それを見て思った。

級長が居ない間にズボンを穿くんじゃなくて、級長が居ない間にオナニーしてしまおうと。

バカだけど、どうしても我慢できなかった!

ちょっとしごいただけですぐイケるだろうと思ったんだ。

ティッシュを先っちょに構えて、ちんちんを握る手に力を込めた時。

「え、何してんの・・・」

・・・そこに立っていたのは級長・・・。

じゃなくてイトコだった!

俺は襖が開いてるのは知ってたけど、閉める時間と手間を惜しんだのだ。

イトコは普段からウチに出入りしてるので、普通に上がってきたのだった。

級長が今日も見舞いに行くって聞いてて、昨日の告白の続きを聞きたくなって、ウチに来た。

そこで俺のオナニーを目撃。

襖が閉まってれば、いつも、普通にノックとか呼びかけくらいはするイトコ。

普段オナニーするときは、部屋の外の物音に気を配ってた俺。

この時だけは、いつもと違う状況に浮き足立った俺の大失態だった。

「何してんの!級長は?級長は?玄関に靴あったよ、いるよね?」

「級長は、トイレで、トイレ・・・あわあわ」

俺はベッドに腰掛けてちんちん握ってたんだけど、思わず立ち上がってしまっていた。

お互いにパニックになってしまって、俺は必死でちんちんを両手で隠して及び腰状態。

2人であわあわしてしまったけど、そのうちイトコはハッとした表情になった。

「あ、あ、そっか級長と・・・ごめんごめん!てか、バカじゃないの、バカ!」

そして、茫然自失の俺を置いて飛び出すように、イトコは帰って行ってしまった。

俺と級長がエッチなことしてたとか、しようとしてるとか思ったんだろうな。

と思うけど、その瞬間は俺、パニックで頭が回らなくて、ただびっくりして帰ったんだと思った。

オナニーを見られた!

その計り知れない恥ずかしさだけで頭がいっぱいで、体が固まった。

男友達とオナニーの話になったって、見せるとかは考えたことない。

それを女子に見られた、それもイトコに。

同級生で、近所に住む親戚だから、学校どころか、休日でも顔を合わすことがある人間。

目の前が真っ暗になって、恥ずかしくて、泣いてないのに視界がぼやけるような感覚。

ああ、どうしよう、見られた、見られた・・・。

イトコの家のおじさんとおばさんには、いい子だと思われてて、良くしてもらってる俺。

オナニーしてたってばらされたら恥ずかしい。

大人になってからは、親に見られたことが笑い話になってたりとか、人から聞いたこともある。

だけど当時の俺にとっては、その時の絶望感ったらなかった。

そんなこんなで頭がぐるぐるしてて、級長の存在が意識からぽっかりと抜け落ちてた。

そのとき・・・。

「え、何してんの・・・」

さっきの、イトコと全く同じ台詞。

級長だった。

ほんの少しの時間、級長がうちにいるってことを、俺は忘れてたのだ。

ぼんやりし過ぎた俺は、まだ下半身裸のまま、立ち尽くしていたのだった。

後悔と恥ずかしさと、自分へのよく分からない怒りで、ちんちんを両手でぎゅっと握ったまま。

それを級長に見られて、慌てて毛布で隠したけど。

ああ終わった、俺もう終わった、そう思った。

イトコに見られたことを猛烈に後悔してる真っ最中に、級長にも見られたんだからたまらない。

吐き気じゃない何かが、頭に直接込み上げてきて気持ち悪くて、座り込んだ。

そのまま俯いてたら、級長も何も言わず帰ってくれるだろうと思った。

でも俺の視界の隅にある級長の影は、部屋の中に歩を進める。

あ、カバンを取ったら引き返すんだよな、って思った。

でもそうじゃなかった。

そのまま俺のそばに来て、級長も座った。

「オナニーしてたの?今?我慢できなくなったんだね、いいんだよ、大丈夫だよ」

なぜか大人ぶった余裕の態度を見せる級長。

昨日までオナニーって言葉すら知らなかったくせに。

保健の先生っていう大人とのガールズトーク(?)が、級長を成長させてしまったのかな。

「いいよ、気にしなくて。男は誰でもするんだから、恥ずかしいことじゃないんだよ」

俺のために無理して平気なふりをしてるようにも見えたけど。

今思えば、男を理解してる女、を演じてる自分に酔ってたのかも知れない。

するのは当たり前でも、この状況は異常で、恥ずかしくて、おかしなことなんだけど。

大人ぶった余裕とか気遣いっていうよりも逆に、まだまだ無神経な子供だったんだと思う。

それでも、俺ちょっと涙目になってたけど、級長の落ち着いた態度に安心してしまった。

びっくりして帰って行ったイトコとのギャップもあって。

恥ずかしいとこ見られても、安心して甘えていい相手なんだって思った。

「級長、俺も、級長好き」

ようやく、告白の返事が、思わず口を突いて出て、そしたら急に鼓動が落ち着き始めた。

「ほんとー!よっし!うれしー!」

醜態を目撃した後なのに、俺の気持ちを嬉しいって言ってくれた。

いつもキャッキャ言ってる14歳の、おっぱいもない女の子。

そんな子に母性を感じて、さっきまで心臓バクバクしてたのに、とても心が安らぐのを感じた。

そして俺は毛布の下でちんちんしごいた。

級長の前でなら、していいんだ、って思えたから。

級長もそれにすぐ気付いてたけど、見て見ぬふりをしてくれた。

ティッシュの中に出すとき、声出さないようにしてたけど、少しだけ、「ふっ」って声が漏れた。

「終わったの?出たの?」

「うん・・・」

級長には見せないように、ティッシュをゴミ箱に捨てた。

勃起はまだ全然静まらなくて、級長は横に座ってるけど俯いてて。

さっさとパンツ穿けばいいのに俺は、どうしていいかわからなくて。

毛布の下は丸出しのまま、無言の時間を数分、もっと長く感じたけど、たぶん数分間過ごした。

そして・・・。

「さっき、俺の、見た?」

「ごめん、ちょっとだけ見えちゃった。勃起?してたね(笑)」

「あ、あのさー」

「大丈夫、誰にも言わないし」

「・・・でもさっきイトコにも見られた」

「えーうっそ、イトコちゃん来たの?」

「級長とエッチしてるって思われたかも」

「あははー、そんなことあるわけないじゃんね~」

“セックスする中学生(子供)”なんて、俺達の周りには居ない、異次元の生き物だと思ってた。

中学生同士で男女交際っていうだけでも、俺にとっては特別なことだった。

俺と級長がセックスしてるって、もしイトコが誤解してたら、たぶん軽蔑される。

毛布越しとは言えオナニー見守られたのも、十分“級長とエッチなことしてる”と言えるんだけど。

とにかくさっきのイトコの様子からして、びっくりして怒ったのは分かってた。

「そっかー、イトコちゃんには、私からうまく言っとく。大丈夫大丈夫」

俺を安心させるように級長は、俺の顔を自分の胸に引き寄せた。

そして、頭をぎゅっと押さえるように抱き締めてくれた。

“何だろう、すごく安心する。俺、級長の赤ちゃんみたいだ”って思ったら恥ずかしくなった。

でも全然おっぱいがないから、あ、やっぱ級長も同じ子供だって思い直してドキドキしたり。

ドキドキしたり安心したり、びっくりしたり恥ずかしかったり、忙しい日だった。

でも、級長とお互い好きになったことだけは確かだった。

軽くキスだけした。

それより先に進むことはなかった。

そんな発想も、知識も、度胸もなかったし、それで良かった。

その代わりその夜は、何回かオナニーした。

もちろん級長がオカズだけど、級長がって言うより、級長といたときのドキドキ感がって感じ。

あー、俺、彼女出来たんだー、って実感は、ふわふわしてよく判らなかった。

次の日、久しぶりに登校した。

級長のおかげもあって、イトコが抱いていた疑念は誤魔化せた。

「風邪で風呂入ってないから体拭いたり、パンツ穿き替えてた」とか、そんな理由で押し通した。

「体がくさいのに、女の子が急に来たから、しょうがないだろ」とか何とか。

でも、級長が家にいるのに俺がちんちん触ってた、という事実は変わらない。

責める感じではなくなったけど、イトコには「変態」「馬鹿」「すけべ」「不潔」とか散々言われた。

それを級長が横で聞いてて、「大丈夫、大丈夫!」と根拠もなく俺をかばってくれた。

でもやっぱりイトコも、俺と級長のセックス疑惑を、丸っきり払拭できたわけじゃないみたい。

俺と級長を2人きりにしないように、気をつけてるみたいだった。

級長とデートと言っても、恋愛経験も金もない田舎中学生は、何していいか分からない。

だから大体、学校終わって俺んちでゲームか、一緒に宿題。

その時には必ずイトコも一緒っていうパターンになった。

イトコの監視のせいで、級長と2人であやしい雰囲気になることはなかった。

告白とオナニーを同時にしてのけた相手なのに。

そんなこんなで結果的に清い交際が続いた。

しばらくして、級長に生理が来るようになったらしい。

最初は級長も、特に隠すことなく、そういうことも俺に話してくれた。

でもそこから級長が心も体も大人になってくのを感じた。

急におっぱいが膨らんだわけじゃないし、うまく説明できないけど、体つきが色っぽくなった。

そして、あっけらかんと話してくれることが少なくなった。

生理が来たことで、大人の仲間入りした、ということなんだと思う。

教育熱心な母親や、姉さんから、色々と大人の心構えを説かれたらしい。

そして、もともと優等生だった級長は、進学校への受験に早くも備え始めた。

級長が、って言うより親の教育方針なんだけど。

塾とか勉強が忙しくなって、あまり俺やイトコと遊んでくれなくなった。

俺の頭では、級長と同じ高校に行けないのは分かってたから、寂しくなった。

中学卒業と同時にお別れかな、なんて漠然と、冷めた感情になってくのが自分でもわかる。

そして実際には、中学卒業を待たなかった。

中3になってクラスが別れると、俺と級長はほぼ自然消滅状態になった。

中学時代の恋愛話はこんな感じで終わり。

<続く>