俺の名前はミツアキ。今年の誕生日が来れば22になる。小学校のときの同級生たちはもう働いていたり、大学に行っていたり。そう言えば結婚して子どもができた奴もいると聴いた。
俺はいわゆる「引きこもり」だ。中学3年の時に、いじめを受けてつまずいて、何とか高校に入れたものの、そこも1か月ほどで行かなくなって、以来きょうまで自宅の2階の部屋にこもっている。小さいころから内向的で、友達と遊ぶのは好きではなく、いつも一人で絵を描いていた。今では気が向いたときにイラストを描いて、クラウドソーシングで売って小遣いにしている。それぐらいしないと、共働きの両親への顔が立たないというわけだ。

「引きこもり」の俺は、いつも引け目を感じながら生きてきた。欲しいものを買う時は通信販売。コンビニに行くときは夜中。小さな町とはいえ、人の目が気になった。みんなが俺に対して後ろ指を指しているような気がした。真面目にせっせと働いている人たちは、親元で引きこもっている俺のことを蔑み、バカにしているだろうと被害妄想的に思っていた。
しかし、そんな人ばかりでもないことをやがて知ることになった。
夜中に行くコンビニ。エナジードリンクとかスナック菓子を買うついでに、立ち読みもした。ほとんどがエロ本だった。俺は「人妻・熟女モノ」が好きだった。性に目覚めた小学校高学年のころから、同世代の女の子より、友達のお母さんとか近所のおばさんとか、学校の女の先生に目がいった。
俺が、そうした熟女のいやらしい画像が載っているエロ本を読んでいると、店のオーナーと思われるおばさんが、品出しを始めた。眼鏡をかけた40過ぎぐらいの美人でもないブスでもない人だった。俺は横目でちらちら、しゃがんで品物をケースから取り出しているその人のことを見た。そのおばさんと同じ年代の女性がエロ本でいやらしい格好をしている。”このおばさんも、こんな格好するのかな”と考えると、ズボンの中が膨らんできた。
夜のアルバイトが確保できないのか、いつも夜中にそのコンビニに行くたびに、そのおばさんがいた。俺は話しかけられたくなかったが、おばさんが話しかけてきた。「ほかに欲しい雑誌があったら言ってね」
俺はドキリとした。おばさんとは赤の他人という安心感があって、その横でも平気でいやらしい雑誌を読んでいたのだが、話しかけられてしまった。おばさんは俺がエロ本を読んでいたのも当然、気づいているだろう。気まずさと共に、エロい気分になってきた。帰りにエナジードリンクを買ったが、レジでお釣りを渡されるとき、そのおばさんに手を包み込まれるようにされた。
俺は夢遊病者ように家に帰り、湿ったベッドの上に寝転がると、チンポをしごいた。

がぜん、俺はコンビニのおばさんを意識するようになった。夜中のコンビニに行くことが、おばさんに会うためになった。おばさんが近くにいてもエロ本を立ち読みした。おばさんは表情を変えることなく、「アルバイト募集してるんだけど、やらない?」と訊いてきた。しかし、引きこもりの俺は接客なんて絶対無理だったので、「いや、いいです」と断った。
いつもおばさんはお釣りを渡すとき、手を包み込むようにしてきた。俺は、”絶対、エロい気持ちのサインだ”と思った。童貞の俺は、最初は全く意識することのなかった、美人でもブスでもないコンビニのおばさんとセックスすることを思い浮かべて、オナニーすることが多くなった。

その夜もコンビニでおばさんと会い、俺の気持ちは高ぶっていた。家に向かう途中、犬を散歩させている人が歩いていた。追い抜こうとしたときに、声を掛けられた。「あら、みっくん」。そのおばさんは、近所に住んでいる福本のおばさんだった。母の友人で、たまにうちに来ることもあるらしい。「久しぶりね。元気にしてた」。引きこもりの俺はバツが悪そうに適当に返事した。それにしても、なぜ日付が変わった深夜に犬の散歩を。「なんだかサリーが、興奮して吠えてしまって」。そう言うおばさんの方を見ると、街灯の明かりに照らされて長袖シャツがピッタリと体に密着していて、しかも大きなおっぱいの形が丸分かりで、しかも、おっぱいの先端には何と乳首のポッチが……。「魔がさした」というのはその時のことを言うのだろう。俺はその日もコンビニおばさんと会って欲情していたところへ、福本のおばさんの爆乳を間近で見てしまって、ついに制御不能となってしまった。
気がつくとおばさんに背後から抱きついてシャツの上からデカ乳を揉んでいた。「ひゃっ」。おばさんはそう発して身を固くした。初めて揉む女性のおっぱい。しかも大きいやつ。
我に返ったおばさんが抑えた声で「やめなさい」と繰り返す。異変を覚ったサリーが激しく吠える。俺はそれでも福本のおばさんの乳を揉んでいた。「誰か来るよ」。おばさんのその言葉に俺はひるんだ。
俺は早足で家に向かった。湿ったベッドに転がると、またチンポをしごいた。

次の朝、昼前に目が覚めた。玄関のチャイムの音で目が覚めた。あまりにしつこく鳴らすので、出てみると、なんと、福本のおばさんだった。俺はバツが悪そうに、無言で頭を下げた。
おばさんは紙袋を手にしていた。「ちらし寿司つくったんだけど、よかったら」
そしておばさんは家に上がり込んできた。
おぱさんは、勝手知ったる他人の家の台所に入って、お湯をわかしたりしていた。いつになく化粧を入念にしている様子だった。その後ろ姿を眺めていると昨晩のドキドキがよみがえってきた。
俺はおばさんに勧められるままに、ちらし寿司に箸をつけた。素直に美味かった。食べ終わってインスタントのおみおつけも飲み干すと、おばさんが切り出した。「きのうのことは黙っておくからね」。俺は再び頭を下げた。「でも、どうしてあんなことしたの」。おばさんの声はいつになく甘い声だった。「興味があったの?」「おばさんなのに」「サリーもびっくりしていた」
10分ほど後、俺は福本のおばさんに導かれていた。
「きもちいい……きもちいい……」。俺の部屋の湿ったベッドの上、おばさんは喘いでいた。大人になって以降、俺は、女性のおっぱいを舐めるのは初めてだった。張りというものは失いかけてはいるが、大きく柔らかい福本のおばさんのおっぱいだった。乳輪も乳首も大きくいやらしく、乳首をつまんだり舌で転がすと、おばさんは普段と違う女の声を出した。
おばさんは、喘ぎながら俺の勃起したチンポをつかみ出し、せわしなく触った。俺もおばんの手の動きに合わせて腰を動かしたが、おばさんの手のひらの滑り具合で、相当我慢汁が漏れていることを知った。
おばさんは待ち遠しい様子で、俺のチンポを自分の股間に誘導した。俺はされるがままになっていたが、先端が複雑な肉の合わせ目のようなところに接触したとき、一気に腰を沈めた。おばさんがこの世の終わりのような顔をした。俺は、なんとも言えない温かさに包まれて、思わず変な声が出た。
童貞卒業の瞬間だった。初めてのセックスだったが、セックスはネットの動画などで何十回、何百回と観てきたので、自分が動画に出て来る男優になったつもりで、動いた。
「おっきい……かたい……」。福本のおばさんは目を潤ませながら喘いだ。
ブルンブルン揺れるおっぱいに吸いつきながら腰を動かすと、おばさんはギュンギュン、チンポを締めつけてきた。「締まる」という感覚を初めて体感した。
我慢のすえに放尿するように、おばさんの中に射精した。
「こんなのはじめて」。目を潤ませたおばさんは鼻声でそう言うと、俺のいまだにいきり立ったチンポをティッシュで拭うと舐め始めた。初めてのフェラ。これも気持ちよかった。

その初セックスが俺のターニングポイントとなった。それまで「引きこもり」として後ろめたい気持ちで生きてきた俺が、「引きこもり」なりに自分の存在意義を示しながら、前向きに生きていこうと心に決める儀式となったのだった。